じゃがいもの栽培:芽かきの時期、追肥のやり方、土寄せについて(種芋から育てる春植えのじゃがいも)

無農薬栽培でのじゃがいもの育て方。前回は、馬鈴薯(ジャガイモ)の種芋の植え付けをしました。それから約55日が経過。今回は、じゃがいもの芽かきと追肥と土寄せをします。

じゃがいもの芽かきと追肥と土寄せ:春ジャガイモ(春植え馬鈴薯)のお世話

じゃがいもの芽かきは、発芽してきた芽を間引くことです。じゃがいも(馬鈴薯)は、種芋を植え付けて育てますが、発芽がうまくいくと、じゃがいもの芽が4~5本くらい出ることがあります。芽が多いと、栄養が分散して、小さいジャガイモしか収穫できないので、芽かき(芽摘み)をして、生育の良い芽だけを残します。

植え付け後に発芽したじゃがいも(マルチ栽培で育てているじゃがいも)

芽かきの時期は、じゃがいもの追肥時期でもあります。芽かきで残したジャガイモの葉茎を大きく育てるため、肥料を追加で補給します。

追肥後は土寄せも行っておきます。土寄せとは、じゃがいもの株の根元に土を盛ることです。じゃがいもは、植え付けた種芋よりも上にイモができるので、土寄せしておかないと、ジャガイモが土の上に出てきてしまいます。土の上に露出したジャガイモは、日光で緑化することがあります。(緑のじゃがいもは有毒なので食べられません。)

芽かきと追肥をしたじゃがいもが緑化して食べられない、というのは残念すぎるので、土寄せもしっかりしておきましょう。

じゃがいもの芽かき(馬鈴薯の芽かきのやり方)

じゃがいも(馬鈴薯)の芽かきの時期は、発芽したジャガイモの芽が15cmくらいまで育った頃です。じゃがいも1株につき、2本の芽を残すように芽かき(芽摘み)をします。残すのは、よく育った太い芽です。じゃがいもの芽が2本以下なら芽かきは不要です。

じゃがいもの芽かきでは、太い芽を残す

じゃがいもの芽かきでは、2本残すことが多いですが、3本まで残して収穫量を増やすという方法もあります。残すのが4本以上だと、収穫時期のじゃがいもが小さくなってしまう可能性が高いです。じゃがいもの芽かきで残す芽は、多くても3本までにしておくのがおすすめです。

じゃがいもの芽かきの方法(馬鈴薯の間引き方法)

じゃがいもの芽かきの方法(間引き方法)は、根元を押さえて芽を引き抜く方法と、ハサミを使って芽かきする方法があります。どちらの芽かき方法でもいいと思いますが、ハサミでカットした方が確実かなと思います。(間引きするじゃがいもの芽を地際でカットする。)

芽かき(芽摘み)で取ったじゃがいもの芽

じゃがいもの追肥(有機じゃがいもの追肥のやり方)

じゃがいもの追肥のやり方ですが、株元から約20cm離れたところに2ヶ所入れます。追肥の肥料がジャガイモの根に直接かかると、根が肥料焼けしてしまうので、20cm程度は離すようにします。

じゃがいもの追肥位置(芽かき後の馬鈴薯に追肥をする)

マルチ栽培のジャガイモの場合は、追肥箇所はマルチシートの下になります。そのままだと肥料を入れられないので、追肥しやすいよう、マルチシートを切っておきましょう。

じゃがいもに追肥しやすいよう、マルチシートを切る

追肥する量は、1ヶ所あたり鶏糞20ccです。鶏糞は、じゃがいも(馬鈴薯)栽培に必要な栄養をバランスよく含んでいます。追肥の肥料としておすすめです。

じゃがいもの追肥に使う鶏糞(馬鈴薯のおすすめ肥料)

追肥のやり方は、切れ目に移植ゴテを約10cm挿し込んで隙間を広げ、そこに鶏糞を入れます。(1ヶ所あたり20ccの鶏糞を追肥するので、2ヶ所分で計40ccの鶏糞が必要です。)

じゃがいもの追肥のやり方
肥料を追肥箇所に入れる

追肥の肥料は、適切な量を守って入れるようにしましょう。(今回のじゃがいもの追肥の場合は、20cc×2ヶ所=40cc)追肥量が多いと、害虫の被害を受けやすくなったり、生育不良を起こしたりします。葉ばかり茂って、じゃがいもの「いも」が大きくならないとか、収穫したイモの食味が落ちたりすることもあるので、注意しましょう。

じゃがいもの追肥場所に鶏糞が入りました

追肥後は、肥料に水をかけ、土をかぶせておきます。これでじゃがいもの追肥は完了です。

追肥した鶏糞に水をかける
鶏糞を土に埋める

追肥した肥料に水をかけるのは、土の中の微生物のためです。(肥料は濡れていた方が分解しやすい。)あと、追肥の肥料は、必ず土の中に埋めるようにしましょう。肥料が地表に出ていたり、マルチの上に残っていたりすると、肥料の匂いに誘われて、害虫が寄ってきます。

じゃがいもの土寄せ(馬鈴薯の土寄せのやり方)

最後は、じゃがいもの土寄せです。じゃがいも(馬鈴薯)の栽培では、追肥と土寄せは同じタイミングで行います。土寄せのやり方は簡単です。じゃがいもの株の周囲が、5cm分くらい高くなるように土を盛るだけ。

じゃがいもの土寄せ(馬鈴薯は追肥と土寄せをセットで行う)
じゃがいもの土寄せのやり方

マルチ栽培だと、マルチシートをめくって土寄せすることになりますが、めくれる範囲内で土寄せして下さい。面倒なら土寄せしなくてもいいです。マルチ栽培だと、ジャガイモが地表に出てきて緑化するリスクも少ないので。(マルチを無理にめくって、じゃがいもの葉茎が傷付くくらいなら、土寄せしない方がマシです。)

土寄せのメリットとしては、じゃがいもの株の根張りが良くなり、「いも」の肥大が促進されます。じゃがいもは、ストロンという地下茎の先に「いも」ができるという特徴があります。ストロンの生育を促すためにも、土寄せは重要ですが、マルチ栽培の場合は状況に応じて、臨機応変に対応してください。

じゃがいも栽培では土寄せが重要

土寄せは、じゃがいもの根元に土を盛るので、茎の倒伏を防げますし、雑草が生えにくくなるというメリットもあります。

ここまでできれば、じゃがいものお世話(芽かき、追肥、土寄せ)は完了です。

じゃがいもの芽かきと追肥と土寄せ完了

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