イチゴ(宝交早生いちご)の栽培:秋植えイチゴの植え付け時期は、10月中旬頃が最適
マルチング栽培でのイチゴ(宝交早生いちご)の育て方。前回は、肥料を入れて、土作りをしました。そこから約3週間が経過。今回は、宝交早生(ほうこうわせ)のイチゴ苗を植え付けます。
いちごの植え付け時期は、品種によって多少変わるかもしれませんが、「10月中旬頃」というのが一般的です。植え付け時期が10月中旬頃で、収穫時期が翌年の5月頃からなので、栽培期間約8か月。結構長いです。今回育てる宝交早生イチゴも、10月中旬頃が植え付けの適期になります。
いちごは、栽培期間自体が長いので、「育てるのが難しい」というイメージがあるかもしれませんが、思ったほど手間はかかりません。宝交早生のイチゴは、いちごの中でも病気に強い品種ですので、育てやすいと思います。
苗の植え付け後からは、冬の寒い時期へと向かっていくため、休眠でイチゴの成長自体が鈍くなりますし、害虫も出にくいので、世話はわりとラクです。
イチゴの苗の植え付け方法(宝交早生いちごの植え付けの仕方)
いちご(宝交早生イチゴ)の植え付け方ですが、まず、苗の植え付け位置に穴をあけます。
イチゴの植え付け間隔(株と株の間の間隔=株間)は、約30cmです。栽培スペースに余裕が無ければ、間隔が多少短くなっても大丈夫ですが、短すぎると病害虫が発生しやすくなります。(植え付け間隔が短すぎると、風通しが悪くなるため。)
植え付けの穴あけには、マルチカッターを使うと便利です。マルチに苗4つ分、4ヶ所に穴をあけたら、植え付け準備完了です。
植え付け位置の穴の深さや大きさを確認します。イチゴの苗をポットのまま穴に入れてみましょう。そうすれば、植え付けする穴の深さや大きさが確認しやすいと思います。
穴の深さは、苗の土の高さと揃えるようにしましょう。穴が深いのはNGです。土の排水性や保水性、通気性などにもよりますが、苗を深く植えてしまうと、根腐れしたり、生育不良になるリスクが高くなります。もし、穴が浅いor深い、大きいor小さい場合は、移植ゴテを使って調整しましょう。
植え付け穴の調整が済んだら、水を8分目まで入れます。イチゴの苗は、水が引いてから植えるので、それまで少し待ちます。
この「植え付け穴を水で満たす」作業は、苗の植え方において、重要なポイントの一つです。いちごに限らず、苗から育てる野菜というのは、ポットに土が少なく、しかもその土が乾いてることが多いです。(余分な水分を減らした方が、輸送しやすいですし、輸送に使うダンボール等も濡れなくて済みます。)
人間で言うと「喉が渇いてる状態」なので、事前に植え付け場所を水で満たしておくと、その後の成長がスムーズになります。植え付け後の苗が、畑の土にしっかり根付くことを「活着した」とか「活着率が良い」といいます。
イチゴの苗は繊細です。傷まないように、やさしく扱いましょう。まず、苗の茎を指の間に挟み、ポットごと引っくり返します。
土が崩れないようにポットを返し、いちごの苗をそっと取り出します。その後、苗の上下を戻し、穴に植え付けます。
いちごの植え付け方のコツ(ランナーの向きと、クラウンの深さ)
イチゴの苗をよく見ると、「ランナー」というツルのようなものがついています。イチゴの実は、「ランナーの反対側」にたくさん付くので、植える時はランナーを畝の内側に向けるようにします。(ランナーとは、親株とつながっていた部分です。イチゴはこれを伸ばし、次々と株を増やしていきます。)
穴と苗の間に隙間があるとうまく育たないので、よけておいた土を戻して、隙間を埋めます。その際、苗の中心にある「クラウン」は埋めないようにします。
イチゴは、このクラウンに成長点があるので、ここに土をかぶせてしまうと、うまく育つことができません。なので、クラウンが見えるよう、浅めに植え付けるようにします。
イチゴの植え方:仕上げ(マルチの上の土を落として、水やり)
植え付けで余った土は、畝の下へ落としておきます。(マルチの上に土があると、雨で跳ね返った土が葉や茎などに付き、それが元で病気になることがあるため。)
イチゴの苗を植え付けた後は、水やりをしっかりしておきます。(植えた株を畝に定着させるため。)
水は、いちごの葉にかからないよう、株元に与えて下さい。上から水をザーッとかけると、はねた土が葉に付いて、それが元で病気になることがあります。葉自体も、水が直接かかると傷むことがあるので、苗への水やりは株元へするようにして下さい。
水やりが終われば、イチゴの植え付けは完了です。
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